***手回しオルゴールの仕組み***
〜2024/5/1 New〜〜
〜〜 どんな仕組みなのか、簡単に説明します
手前のネジを回します。楽譜は左から右へ、進んで行きます。蓋を開けるとこんな空間。
閉めたほうが共鳴しますが、聞こえ方は場所によって様々。開けた方が遠くまで聞こえる場合もあります。
回す側から見ると、楽譜は逆さ。ト音記号、へ音記号が書かれていますが、その通りに、音の高さが決定されています。
そして、横は、リズムを決定するわけです。
中蓋を開けると、機械が見えます。パンチカードが木で覆われている部分に入ると、パンチされている高さの音が出ます。
オルゴールを買った時に、本体のほかについてくる付属品があります。
ドットがプリントされていて、穴がまだ開けられていない楽譜が十数枚
内訳は、ドイツの子供の歌がたくさんと、渚のアデリーヌ、ハッピー・バースデー、
それから、ドットがプリントされていない楽譜が1枚(白楽譜と言います)、
それからパンチ開け専用のパンチです。
カードの横の長さは、B4の横の長さより少し長め。で、私は思いました。
「この白楽譜は、これからたくさん楽譜を作るために、コピー用に残す必要がある。
コピー用紙がB4の大きさだと、1回で横長に3列並べることができる。
とにかくこの白楽譜をコピー用に3枚確保しなくっちゃいけない。
4拍子だと1小節4マスで、横一列、10小節分。
それが3列だから、B4、1枚で30小節分、取れる。」
いやー、まさに、音楽は数学です。
コピー用紙だけでは強度が足りないので、コピーにとったら、それを八つ切りの画用紙に貼り付けます。
それから、3列に切り分けます。
そしてジグザグに畳めるように繋げて、楽譜を作っていきます。
さて楽譜は、自分で編曲しなければなりません。
私の場合、オルゴール楽譜はすべて、歌う時の伴奏として使うために作っています。
このオルゴールには、黒鍵の音が無いので、メジャー・キーだとCかFかG、
マイナー・キーだと、Am、Dm、Emぐらいしか調を選べません。
そして7thコードは、どうするか?
試行錯誤の結果、離れた位置で2度の和音を作ると、たとえばドと1オクターブ上のレ、
それらしい感じになることがわかりました。
augやdimなんてコードは無理なので、この楽器で、そういう複雑な陰影の和音を出すことは断念。
逆に言えば、明快、明澄な和音のみだから、それを最大限に活かせばいいと思いました。
継ぎ目はマスキング・テープで。セロテープより劣化がゆっくりなのです。
そして穴の開け間違いをふさぐ時には、裏からメンディング・テープを貼ります。
下の写真、左が楽譜作成時に使うグッズたち。
専用のパンチは、昔の国鉄の、切符に入れるパンチみたいです。
その横のハサミは、眉毛カット用なんですが、パンチで完全に切り抜けない残りをカットするのに、これが最適なんです。
「何でパンチだけで切り抜くことができないの?」って聞かれたことがあります。
多分、一枚の厚紙だったらできるのでしょう。
私の場合は、画用紙+コピー用紙、という二層になっているので、駄目なんだろうなあ。
そんなふうにして作った楽譜が、もう150曲ぐらい。
これ、私が死んだら捨てられちゃうのかな。もったいないなー。どうしよう。
孫に継がせるか、継いでくれない場合は、寄贈先を考えよう。
だけど、どこからも需要なんてないかもな。あ”ーー、でもクヨクヨするのは、もっと後にしよう。
パンチを開けた後の楽譜。一番下がド。音域は2オクターブ+6度です。
縦の線が一つ横に動くと、4分音符1個分進みます。
そして4分音符1個分空けないと、同じ高さの音を続けて出すことはできません。
左の写真、4小節目、ラソッミミソ、ドの動きが解るかしら。このイントロでピンと来る方もいらっしゃるかな。
はい、CCR「雨を見たかい」の楽譜なんです。
You Tubeにアップしている、写真のパンチカードを使用した弾き語り↓
「雨を見たかい」CCRカバー 野川小麦
https://www.youtube.com/watch?v=_Y3lx73q5uU へのリンク
ライブの時には、オルゴールの蓋を開けて、中にマイクを突っ込んでいます。
場所やPAの違いにより、蓋を閉じて音を拾う場合もあります。
トップページ ← 戻る 進む → さかさかな