**ネーミング、粋と無粋** 

                    〜2024/5/1 New〜


野の花の名の中で、ズバリ言い得ているネーミング、私が選んだベスト3は、こちらです。


★ 第1位 まち針草


  

花の後、実をつけるとまさにまち針。これは俗称で、正式名はハゼラン(爆ぜ蘭)です。
サンジソウ(三時草)の別名もあります。午後三時になると開花するから。
江戸の花火、の別名もあり。
  

★第2位 水玉草(ミズタマソウ)

  

 説明不要ですね。正式名もミズタマソウです。
名付け親の植物学者さんは、ひねくれていなくて、いい方だ。


★第3位 稚児百合(チゴユリ)

 

これ以外、これ以上の名前はない、ってぐらい、ぴったりでしょう?
俯いて咲くので、写真を撮る時だけ、ふんわりと触らせてもらいました。


+++++++ +++++++ +++++++ +++++++ +++++++


・・・・・次は、私が選んだ「無粋ネーミング」ワースト5

★ 第1位 掃き溜め菊(ハキダメギク)

  

掃き溜めとは、随分失礼なネーミングじゃありませんか。こんな別嬪さんなのに。
名付け親は、高名なあの植物学者さんです。
東京では、一年を通して咲いているのを見かける、逞しい野の花です。


★ 第2位 大犬の陰嚢(オオイヌノフグリ)

  

花の名にふぐりとつけるなんて、何て無粋な奴。
名前はひどいが、花は大好き。
群落を作って咲いている姿も、ほかの花たちと仲良く共存している姿も、どちらも可愛い。
中の写真では、小米犬の陰嚢(コゴメイヌノフグリ)やハコベと一緒。
そしてそれを見守る大島桜。やさしい世界。
右の写真の共存仲間は、芹葉飛燕草(セリバヒエンソウ)です。


★ 第3位 継子の尻拭い(ママコノシリヌグイ)

  


卑語愛好者だったモーツァルトなら、好んで口に出しそうな名前ですね。
茎や葉に細かいトゲがあって、継子いじめに最適ってわけです。
ああ、趣味の悪い発想。いじめはいけません。


★ 第4位 馬の脚形(ウマノアシガタ)

  

何が馬の脚形だよ。この花は、きんぽうげなんだよ。
日常会話ではきんぽうげ、と呼ぶし、甲斐バンドの曲の名も「きんぽうげ」なんだよ。
き=清音、ん=撥音、ぽ=半濁音、う=長音、げ=濁音。
拗音(小さい、ゃ、ゅ、ょ)と促音(小さい、っ)以外の五十音の種類を、一語で全部持ってる。
こんな滅多にない日本語を、機会があるのに使わないなんて、もったいないんだよ。


★ 第5位 同点で、小天狗鍬形(コテングクワガタ)、現の証拠(ゲンノショウコ)

   

左、コテングクワガタ。クワガタソウ属だから、クワガタは分かるんだけど、コテング、ってどこから?
この花は可愛らしくて、群生しているところに顔を近づけると、茎に白い鈴が大量に成っている感じです。
中、ゲンノショウコは、白地に紫のしべが映えて、とても綺麗。
右は、ゲンノショウコの秋の姿。花の後、種子がついて、それが飛んだ後の殻が、可愛く丸まってる。
下痢止めの薬効があらたかなことから、現の証拠の名がついたそうです。



番外編・・・何て可愛い名前なの



    

私、あぶらちゃんです。葉は揉むといい匂いがしますよ。
植物名の正式表記はカタカナなのに、この植物園ではひらがなで書いてる。

そう、あぶらちゃんは、ひらがな表記のほうが断然可愛いのであります。


野の花への想い ← ひとつ前のページに戻る


          トップページ  戻る                   進む → 並んで仲良しの植物たち